ソボールノスチ
nakano
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ソボールノスチ(соборность)
概要
ソボールノスチは、19世紀ロシアの思想家アレクセイ・ホミャコフの教会論を説明するために用いられる概念です。「公同性」「共同性」などと訳されますが、一語だけでは意味を捉えきれません。
ホミャコフが『教会は一つ』で描くのは、独立した個人が合意して作る組織ではなく、神の一つの恩寵が多数の人格のうちに生きる教会です。人格は外から従わされるのではなく、自ら恩寵に応じ、信仰・愛・祈りの交わりへ加わります。
三つの要点
1. 一致の主語は、人間だけではない
教会の一致は、投票や感情の同調から始まるのではありません。先に神の恩寵と教会の生命があり、人びとはその生命に参与します。したがって、ソボールノスチを一般的なチームワークの技法として扱うと、神学的な土台が抜け落ちます。
2. 人格は、一致の中で消えない
ホミャコフは、外からの権威が作る一致と、交わりを失った個人の自由をともに退けようとしました。自由と一致を配分するのではなく、愛のうちで自由な人格が一つの生命を生きる可能性を考えます。
3. 救いは、私だけの所有物ではない
『教会は一つ』第6節では、信じる者、愛する者、祈る者が、それぞれ信仰・愛・祈りの交わりに置かれます。救いは孤立した個人の達成ではなく、他者と切り離せない出来事として語られます。
誤読を避けるために
- ソボールノスチは、仲のよい集団の別名ではありません。
- 「オーケストラ」は理解のために後から作れる比喩ですが、ホミャコフ自身の代表的な比喩としては扱えません。
- カトリック、プロテスタント、正教会の対比は、ホミャコフの論争的な立場からの整理です。中立的な教会史の結論ではありません。
- 現代の共同体へ応用するときは、異議を言う権利、離脱の可能性、弱い立場の保護を別に考える必要があります。