万物斉同
nakano
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概要
「万物斉同(ばんぶつせいどう)」とは、荘子の中心的な思想の一つです。私たちは「これが正しい」「これが美しい」と境界線を引いて物事を判断しますが、絶対的な「道(タオ)」の視点から見れば、それらの区別は相対的なものに過ぎず、万物はすべて等価(斉しい)であるという考え方です。
詳細解説
万物斉同の視点は、現代の環境哲学である「ディープ・エコロジー」へと繋がります。ノルウェーの哲学者アーネ・ネスが提唱したこの思想は、人間を自然より上位に置く人間中心主義を批判し、すべての生命存在には固有の価値があると考えます。
荘子の説く「万物斉同」をエコロジーの文脈で読み解けば、それは「個」としてのエゴを脱ぎ捨て、全生命システム(道)の一部としての自己を再発見することに他なりません。人間による独善的な価値判断を宙吊りにし、環境との一体感を回復したとき、私たちは宇宙的なスケールの安心感と倫理観を獲得します。
この概念が登場するブログ記事
さらに深く知るためのガイド
- Wikipedia「荘子」
- Wikipedia「ディープ・エコロジー」
- 荘子『荘子』(斉物論篇)
- アーネ・ネス『ディープ・エコロジー』