ジハード(奮闘)
nakano
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概要
ジハード(jihād)は、力を尽くして努めること、奮闘することに関わる言葉です。「聖戦」だけを意味する語でも、「内面の努力」だけを意味する語でもありません。誰が、何を守り、どの手段で奮闘するのかを文脈から読む必要があります。
クルアーン内の用法
第25章52節は、クルアーンをもって大いに奮闘するよう命じます。ここでは、啓示と言葉による非戦闘的な奮闘が示されています。
一方、クルアーンは戦闘も扱います。第2章190節は戦う者と戦い、限度を越えないよう命じ、第4章75節は抑圧された人々を守るための戦いを問います。戦闘を表すキタール(qitāl)や、戦争を表すハルブ(ḥarb)はジハードと常に同義ではありませんが、歴史上まったく無関係だったわけでもありません。
後代の展開
イスラーム法学は、戦争、条約、統治、攻勢と防衛の条件をジハード論の中で検討しました。倫理的・スーフィー的な伝統では、欲望や怠惰に抗う自己との奮闘も重視されました。
「大ジハード」と「小ジハード」という対比は、この解釈史の中で広まった整理です。クルアーン自身が示した二分類ではありません。
読むときの注意
ジハードを暴力だけに固定すると、言葉、教育、社会的努力の用法が消えます。平和的な自己鍛錬だけに固定すると、戦闘を論じた原典と法学史が消えます。
意味を決める前に、発言者、相手、目的、手段、限度、引用された章句を確認します。
この概念が登場するブログ記事
さらに深く知るためのガイド
- クルアーン第25章52節、第2章190節、第4章75節、第8章61節を文脈ごとに比較する。
- クルアーン内の語法と、後代の法学・倫理・政治的用法を分けて調べる。