ミーサーク(第一の契約)
nakano
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概要
ミーサーク(Mīthāq) または「第一の契約」とは、イスラームの人間観の根幹をなす概念です。イスラームの教えによれば、人類が現世に誕生する前、すべての魂は一度神の前に召され、「わたしはあなたがたの主ではないか」という問いに対して、「はい、証言します」と承認したとされています。この原初の出来事がミーサークと呼ばれます。
これにより、すべての人間はその魂の深層に「神の存在を知っている」という記憶(フィトラ)を内包した状態でこの世界に生まれてくると考えられています。
詳細解説
「学ぶ」ことの捉え直し
ミーサークの概念は、知識や信仰の獲得プロセスに独自のアプローチをもたらします。クルアーンを読むことや真理を知ることは、「外から新しい情報を詰め込む」ことではなく、「内側にすでに存在している記憶を呼び覚ます(思い出す)」プロセスとして位置付けられます。
日常の喧騒やエゴによって覆い隠されたこの第一の契約の記憶を、啓典(クルアーン)という外側からの「第二の契約」が刺激し、再び活性化させるという構造になっています。したがって、真理に触れたときの感覚は「未知の発見」ではなく、「魂の再会(腑に落ちる感覚)」として表現されます。
関連するブログ記事
この概念は、以下の記事でさらに詳しく解説されています。
- クルアーンを学ぶ 第二部:第1章(なぜクルアーンを読むと「腑に落ちる感覚」があるのか?魂の記憶と第一の契約を解説)
さらに深く知るためのガイド
- Wikipediaの関連ページで概要を把握する:イスラム教における契約
- クルアーン第7章(高壁章)172節などを通して、原典の記述を確認する。