ドラヴィヤ (Dravya)
nakano
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概要
ドラヴィヤ(Dravya)は、ジャイナ教において宇宙を構成する「実体」を指します。ジャイナ教の宇宙(ローカ)は、永遠に存在し、増えも減りもしない六つの実体(六実体)が組み合わさって形成されていると考えられています。
六つの実体
世界のあらゆる存在は、以下のいずれかの実体に属します。
- Jiva (ジーヴァ): 霊魂、生命原理。
- Pudgala (プドガラ): 物質。原子や業の粒子。
- Dharma (ダルマ): 運動の条件。水が魚を泳がせるように、運動を助ける媒介。
- Adharma (アダルマ): 静止の条件。大地が馬を休ませるように、静止を助ける媒介。
- Akasha (アーカーシャ): 空間。あらゆる存在に「場所」を与える実体。
- Kala (カーラ): 時間。変化と連続性を支える実体。
詳細解説
ジャイナ教のドラヴィヤ論の特筆すべき点は、時間や空間、さらには運動や静止の「助力」すらも、それ自体が独立した実体(ドラヴィヤ)であると定義している点です。これにより、宇宙は単なる物質の集まりではなく、複雑な相互作用のシステム(グリッド)として記述されます。
また、ドラヴィヤは「本質(グナ)」と「変化(パルヤーヤ)」の二面を持ちます。不変の本質を持ちつつ、常に様相を変え続けるというこの動的な実体観は、第一部で学んだ「多面的真理論(アネーカーンタヴァーダ)」の存在論的裏付けとなっています。
関連するブログ記事
この概念は、以下のブログ記事で詳しく解説されています。
- /blog/jainism-part-2/chapter-3 - 世界を構成する六つの実体——魂と物質の精密な分類学
さらに深く知るためのガイド
- Wikipedia「ジャイナ教」: 宇宙観の項目
- バールーフ・デ・スピノザ『エチカ』: 「実体」という概念の西洋哲学における重要な対照軸