八不(はっぷ)

nakano
4 min read

概要

八不(はっぷ、サンスクリット:Aṣṭā-v-akṣarā)は、ナーガールジュナの『中論』の冒頭(帰敬偈)に示された8つの否定です。事物を「生まれた」「滅びた」といった固定的な概念(戯論)で捉えることを禁じ、ありのままの縁起を観るための指針となります。

詳細解説

以下の4対・8つの否定から構成されます。

  1. 不生(ふしょう)・不滅(ふめつ): ゼロから生まれることも、完全に消えることもない(連続的なプロセス)。
  2. 不常(ふじょう)・不断(ふだん): 永遠に続くのでもなく、完全に途切れるのでもない。
  3. 不一(ふいつ)・不異(ふい): 全く同一でもなく、全く別物でもない(不二)。
  4. 不来(ふらい)・不出(ふしゅつ): どこからか来るのでもなく、どこかへ去るのでもない。

これらの否定は、世界そのものを否定しているのではなく、世界を「実体」として固定しようとする私たちの「認知のクセ」や「言葉の牢獄」を解体するためのものです。

この概念が登場するブログ記事

さらに深く知るためのガイド

  • Wikipedia 八不中道
  • ナーガールジュナ『中論』第1章