生への畏敬
nakano
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概要
生への畏敬(Ehrfurcht vor dem Leben)は、アルベルト・シュバイツァーの倫理思想の中心概念です。
人間を、孤立した理性的主体ではなく、生きようとする他の生命のただ中にいる生命として捉えます。倫理は、生命を守り、高めることを善とし、生命を傷つけ、妨げることを悪とする方向を持ちます。
ただし、現実には他の生命をまったく傷つけずに生きることはできません。生への畏敬は、汚れのない規則を与えるより、自分の行為が生む犠牲を自覚し、必要以上の破壊を避け、具体的な生命へ応答する責任を求めます。
カルマ・ヨーガへの問い
『バガヴァッド・ギーター』の無執着と、生への畏敬は同じ思想ではありません。戦場で戦うよう促す『ギーター』と、生命を守る倫理の間には、消してはならない緊張があります。
その緊張は、二つの問いを生みます。
- 無執着という言葉が、傷つけられる生命を見えなくしていないか
- 生命を守りたいという願いの中に、自分の善良さや成功を所有したい欲望が混じっていないか
『ギーター』第3章20-26節の loka-saṃgraha は、知者も世界や人々を支えるために行為すると説きます。第12章13-14節は、すべての生き物への友愛と慈悲を理想に含めます。
したがって比較の焦点は、「無執着か慈悲か」の二択ではありません。結果を所有せず、なお他者の苦しみへ応答し続けられるか、という点にあります。