転依と転識得智
nakano
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概要
転依(てんね、āśraya-parāvṛtti)は、認識と生存のよりどころである「依」が根本から転じることです。『唯識三十論頌』第29頌は、出世間智によって二つの粗重を捨て、転依を証得すると説きます。
「転識得智」は、迷いを伴う識の働きが智慧へ転じることを表す東アジア唯識の重要な定式です。転依と深く関係しますが、両者をまったく同じ語として扱うと、資料上の違いが見えにくくなります。
詳細解説
『成唯識論』巻十は、転依の意味を四つに分けます。
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| 能転道 | 障りを伏し、断つ智慧と修行の道 |
| 所転依 | 染と浄の種子を保つ本識など、転じられるよりどころ |
| 所転捨 | 煩悩障・所知障など、捨てられるもの |
| 所転得 | 涅槃・菩提として得られるもの |
この構造から分かるように、転依は「悪い習慣をよい習慣へ変えること」だけではありません。何が転換を起こし、何が転じられ、何を離れ、何が現れるのかを含む修行論です。
東アジアの唯識教学では、八識の転換と大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智の四智との関係が説かれます。ただし、四智を現代の能力開発や心理状態へ一対一で置き換えると、解脱の文脈が失われます。