三性説
nakano
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概要
三性説(さんしょうせつ)は、経験のあり方を遍計所執性・依他起性・円成実性から捉える唯識の重要な教説です。三つの世界や、低い現実から高い現実へ進む階層を示すものではありません。
詳細解説
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| 遍計所執性 | 分別によって主と客を構想し、それぞれに独立した実体性があると執着したあり方 |
| 依他起性 | 識の転変が原因と条件に依存して生じるあり方 |
| 円成実性 | 依他起性において、遍計所執された主客の実体性が永遠に存在しないこと |
蛇と縄の比喩を使うなら、条件から生じた縄の経験が依他起性であり、そこへ実体的な蛇を重ねるあり方が遍計所執性です。円成実性は、縄の奥に隠れた第三の素材ではありません。依他起の経験に、その蛇の実体性が存在しないことを指します。
円成実性と依他起性は、まったく同じでも、完全に別でもありません。条件によって生じる現象の中で、そこへ重ねた実体性が空であると明らかになるからです。
システム思考と比較する場合、依存関係へ目を向ける点には接点があります。ただし、システム思考は複雑な問題への介入を主に扱い、三性説は主客の実体化とその空性を解脱の文脈で問います。