種子と熏習
nakano
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概要
種子(しゅうじ、bīja)は、後の認識や行為が生じる可能性を支える力です。種子が身体、他者、環境などの条件を得て現行となり、現在の認識や行為が熏習(くんじゅう、vāsanā)として後の種子へ影響します。
詳細解説
種子は、小さな記憶や出来事そのものではありません。植物の種が条件を得て芽を出すように、認識・感情・意志・行為が生じる可能性を表します。現れた働きはそこで消えず、香りが布へ染み込むように、次の現れ方へ影響を残します。
この循環は、過去が未来をすべて決める宿命論ではありません。種子だけでなく、その時の身体、相手との関係、環境や制度、直前の出来事も条件になります。逆に、意志だけで自由に種子を書き換えられるという教えでもありません。
習慣形成との類比は、反復が次の反応に影響することを理解する助けになります。しかし、熏習は神経科学のシナプス可塑性と同じ現象ではありません。唯識の種子は、業の相続と解脱を含む教理上の概念です。