末那識

nakano
3 min read

概要

末那識(まなしき、Manas-vijñāna)は、唯識思想における第7識であり、「思量(しりょう)」すなわち絶えず考え量り続ける働きを持つ意識です。その最大の機能は、無意識の層である第8識・阿頼耶識を覗き込み、それを「永遠に変わらない実体としての『私』(自我)」であると強固に誤認し続けることです。

詳細解説

末那識には常に四つの根本的な煩悩(我癡・我見・我慢・我愛)が伴っています。起きているときだけでなく、眠っているときや夢を見ているときでさえも無意識に稼働し、「私」を守ろうとする防衛本能や、他者との比較、自己正当化(我執)を生み出し続けます。唯識では、この末那識による「私」という誤認こそが、他者との分断や苦しみを生み出す根本原因であると考えます。これら四つのプログラムがどのように連携し、自己愛や比較衝動を生み出しているかの詳細は、四煩悩 の概念ページを参照してください。

フランスの精神分析家ジャック・ラカンの「鏡像段階」(断片的な身体を統合された自己として誤認するプロセス)との構造的な類似も指摘されますが、末那識は発達段階ではなく、生命活動の基盤として恒常的に働き続けるメカニズムです。

この概念が登場するブログ記事

さらに深く知るためのガイド