別愛
nakano
3 min read
概要
別愛(べつあい、Bie Ai)は、兼愛と対照させて、自分側と他者側を分ける配慮のあり方を説明する言葉です。自分の身・家・国だけを利し、他者側の損失を道徳的な計算から外すと、盗み、家どうしの争い、侵略へつながると墨家は考えます。
別愛を、単に「家族への愛情が強いこと」と理解すると論点がずれます。問題は感情の濃さだけでなく、その区別を根拠に、他者を害してよいと判断することです。
詳細解説
「兼愛中」は、自分を利するために他人を害し、自家を利するために他家を乱し、自国を利するために他国を攻める関係を批判します。「別」は、こうした自他の切り分けを捉える手がかりです。
家族と見知らぬ人を、まったく同じ方法で世話することはできません。関係が違えば、役割や具体的な行為も変わります。それでも、見知らぬ人の生命を無価値としたり、自国の利益のために他国への侵略を正当化したりしないことはできます。
そのため兼愛と別愛の対比は、「家族愛か人類愛か」という感情の二者択一ではありません。関係の違いを認めながら、誰を害の外へ置かないかという判断の問題です。