非命
nakano
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非命(ひめい)
概要
非命とは、富か貧か、人口が増えるか減るか、政治が治まるか乱れるかなどが命によって定まり、人間が励んでも変わらないとする言説を退ける墨家の教説です。
「非命上」は、この宿命論が行為へ与える影響を問題にします。為政者が統治に励まなくなれば刑政は乱れ、民衆が仕事に従事しなくなれば財用は不足します。人間の努力を無益にする言説は、国家と民衆の利益を損なうというのです。
詳細解説
墨家が重視する「強」は、務めに励むことを意味します。耕作、統治、相互扶助といった行為が結果に関わるからこそ、教育や賞罰にも意味があります。
ただし、非命は「努力すれば必ず成功する」という教説ではありません。人の力では動かせない条件や偶然を否定するわけでも、貧困や失敗をすべて本人の努力不足へ帰すわけでもありません。退けるのは、努力は結果にまったく関与しないという宿命論です。
現代へ応用するなら、個人で動かせる条件、集団や制度でなければ動かせない条件、現時点では動かせない条件を分ける必要があります。諦めを批判する言葉が、為政者や制度の責任を隠すなら、墨家が批判した構造を逆向きに再現してしまいます。