明鬼
nakano
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明鬼(めいき)
概要
明鬼とは、鬼神について明らかにするという墨家の教説です。現存する「明鬼下」は、鬼神の有無を検討し、鬼神が人間の善悪を知り、賢者を賞し暴虐な者を罰すると論じます。
この教説は、信仰が社会秩序へもたらす効果にも注目します。人間の監視を逃れても鬼神は見ていると信じれば、官吏は不正をためらい、人々は暴力や盗みを控えるというのです。
詳細解説
明鬼を、社会の監視費用を減らすために作られた方便だけと考えると、原典の議論を取り逃します。「明鬼下」は、古い伝承や人々の見聞を用いて鬼神の実在を論証しようとします。墨家にとって、鬼神の存在と、その信仰が天下の利になることは別々の話ではありません。
鬼神の賞罰は、地上の権力者も逃れられない正義を示します。証拠を隠し、法の裁きを免れても、暴虐がなかったことにはなりません。一方で、鬼神の意志を人間が代弁するとき、恐れが服従を強いる道具になる可能性もあります。
現代の監視制度と比較するときは、共通点と差を分ける必要があります。人間が設計した監視装置は「見られている可能性」によって行動を変えます。明鬼が語るのは、人間を越える道徳的な審判者が実際に見て賞罰する世界です。