三表の法
nakano
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三表の法(さんぴょうのほう)
概要
三表、または三法とは、ある言説や政策を採用してよいか確かめるために、墨家が示した複数の足場です。「非命上」では次のように定式化されます。
- 本:古の聖王の事績にさかのぼる。
- 原:民衆の耳目の実、すなわち実際の見聞を調べる。
- 用:刑政として実施したとき、国家と民衆の利益になるかを見る。
詳細解説
三表は、権威を排して事実とデータだけで真偽を決める近代科学の方法ではありません。本は聖王という伝統的な規範を参照し、用はどの結果を社会の利益とみなすかという価値判断を含みます。また「非命」の上・中・下篇では、三つの基準の表現にも違いがあります。
その面白さは、伝統、見聞、政治的効果のどれか一つへ判断を預けない点にあります。古くから語られていても、人々の経験と合わず、政治に用いて害を生む言説は採用できません。反対に、目先の効果だけで、その政策がどのような秩序を作るかを無視することもできません。
現代への応用では、根拠、当事者の経験、制度が生む帰結を分けて確かめる手がかりになります。ただし、この応用を原典そのものの方法と混同しないことが大切です。