アネーカーンタヴァーダ
nakano
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概要
アネーカーンタヴァーダ(anekāntavāda)は、日本語で「多面性の理」「非一面的な見方」などと説明されます。人間の意見が多様だというだけでなく、実在そのものが複数の性質・関係・様態を持ち、一つの述語では尽くせないと考える思想です。
変化と持続を同時に考える
『タットヴァールタ・スートラ』第5章30節は、存在するものを、生起・消滅・持続を備えるものとして表します。実体は性質と様態を持ち、様態は変化します。
湯のみは、作られたときに新しい状態が生じ、使用とともに状態が変わります。それでも、変化のたびに関係のない別物になるわけではありません。変化だけ、または持続だけを絶対化せず、同じ実在について両方を考えます。
後代の注釈では、一人の人物が、子から見れば父であり、父から見れば子であるという例も使われます。相反して見える言葉でも、関係や条件が異なれば矛盾しません。
相対主義との違い
アネーカーンタヴァーダは、すべての意見を同じ価値にする思想ではありません。言明には対象、根拠、観点、条件が必要です。一つの側面を捉えた説明が、その範囲で妥当なことはありますが、対象と対応しない思いつきまで真理の一部になるわけではありません。
「盲人と象」の寓話は多面性を説明するために広く使われますが、複数の報告を足せば自動的に全体が完成するという意味ではありません。触れた対象、報告の正確さ、部位同士の関係を確かめる作業が残ります。
この概念が登場するブログ記事
さらに深く知るためのガイド
- ウマースヴァーティ『タットヴァールタ・スートラ』第5章
- Bimal Krishna Matilal, The Central Philosophy of Jainism (Anekānta-vāda)
- Paul Dundas, The Jains
- Stanford Encyclopedia of Philosophy, "Jaina Philosophy"