交相利
nakano
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概要
交相利(こうそうり、Jiao Xiang Li)は、互いを利することを意味します。「兼愛中」は、相愛さない関係を「兼相愛、交相利」、すなわち互いを広く配慮し、互いを利する関係へ替えるよう論じます。
兼愛が心、交相利が損得という二つの独立した標語ではありません。他者を配慮に含めることが、生命、安全、生活、協力できる秩序を支える行為として現れる、その結び付きを表します。
詳細解説
「兼愛中」は、「人を愛する者は人から愛され、人を利する者は人から利される」と強く述べます。ただし、これを「一度助ければ、同じ相手が必ず返礼する」という保証に変えることはできません。篇の論点は、一回限りの個人間取引ではなく、人と人、家と家、国と国の関係を、互いに害する規範と互いに利する規範のどちらで整えるかにあります。
反復ゲームは、比較の補助線になります。将来また関わる見込みがあり、相手の行為が見え、誤解や裏切りのあとにも協力へ戻れる条件があるとき、協力は続きやすくなります。ただし、交相利は、相手の前回の行動を返す「しっぺ返し」のような戦略名ではありません。ゲーム理論は、一定の選好とルールの下で戦略がどう働くかを分析します。墨家は、何を天下の利とし、どの規範を政治として採用するかを問います。前者が見せる協力の条件は、交相利の実践を考える手がかりにはなりますが、兼愛の道徳的な正しさを証明するものではありません。
交相利の要点
- 兼愛を、実際に他者を利する行為へ結び付ける。
- 「利」には財貨だけでなく、生命、安全、秩序が含まれる。
- 返礼の確実な保証ではなく、互いを害する秩序に代わる規範である。
- 現代の協力理論と比較できるが、同じ理論ではない。
この概念が登場するブログ記事
さらに深く知るためのガイド
- 『墨子』「兼愛中」
- Stanford Encyclopedia of Philosophy, “Mohism”
- Robert Axelrod and William D. Hamilton, “The Evolution of Cooperation,” Science 211, 1981