ブラフマン — 宇宙の根本原理

nakano
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概要

ブラフマン(梵語: Brahman)は、古代インドのウパニシャッド哲学における最高原理です。宇宙に存在するすべてのものの根拠・基盤であり、「あらゆる存在を生み出す無限の実在」と表現されます。特定の人格的な神ではなく、過去・現在・未来のすべてを包み込む名前も形もない「大元」です。

ブラフマンとは何か

ウパニシャッドはブラフマンを定義することを拒みます。なぜなら、言葉による定義は境界線を引く行為であり、「無限のもの」に境界線を引いた瞬間、それはもはや無限ではなくなるからです。

そのため賢者たちは、ブラフマンを直接語る代わりに、「ネーティ・ネーティ(それではない、それでもない)」という否定の連鎖を用いました。ブリハダルニヤカ・ウパニシャッドはブラフマンをこう描写します。

「それは粗大でも微細でもなく、短くもなく長くもなく……目もなく耳もなく、話すこともなく、心もない」

ブラフマンと現代物理学の共鳴

20世紀の物理学者デヴィッド・ボームが提唱した「ホロムーブメント(Holomovement)」は、宇宙全体を絶え間ない流動的全体性として捉えるという点で、ブラフマンの概念と構造的に共鳴します。また、ジョン・アーチボルド・ホイーラーの「It from Bit」——物理的実体は究極的に情報から生じるという命題——は、「意識(ブラフマン)が物質に先立つ」というウパニシャッドの視点と矢印の向きを共有しています。

これらは科学的証明ではなく、思想的な共鳴として受け取ることが重要です。

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