ブラフマン — 宇宙の根本原理
nakano
8 min read
概要
ブラフマン(梵語: Brahman)は、古代インドのウパニシャッド哲学における最高原理です。宇宙に存在するすべてのものの根拠・基盤であり、「あらゆる存在を生み出す無限の実在」と表現されます。特定の人格的な神ではなく、過去・現在・未来のすべてを包み込む名前も形もない「大元」です。
ブラフマンとは何か
ウパニシャッドはブラフマンを定義することを拒みます。なぜなら、言葉による定義は境界線を引く行為であり、「無限のもの」に境界線を引いた瞬間、それはもはや無限ではなくなるからです。
そのため賢者たちは、ブラフマンを直接語る代わりに、「ネーティ・ネーティ(それではない、それでもない)」という否定の連鎖を用いました。ブリハダルニヤカ・ウパニシャッドはブラフマンをこう描写します。
「それは粗大でも微細でもなく、短くもなく長くもなく……目もなく耳もなく、話すこともなく、心もない」
ブラフマンと現代物理学の共鳴
20世紀の物理学者デヴィッド・ボームが提唱した「ホロムーブメント(Holomovement)」は、宇宙全体を絶え間ない流動的全体性として捉えるという点で、ブラフマンの概念と構造的に共鳴します。また、ジョン・アーチボルド・ホイーラーの「It from Bit」——物理的実体は究極的に情報から生じるという命題——は、「意識(ブラフマン)が物質に先立つ」というウパニシャッドの視点と矢印の向きを共有しています。
これらは科学的証明ではなく、思想的な共鳴として受け取ることが重要です。
この概念が登場するブログ記事
さらに深く知るためのガイド
- ブラフマン - Wikipedia(2026年3月29日参照)
- ヴェーダーンタ学派 - Wikipedia(2026年3月29日参照)
- カール・ポッター編『インド哲学大事典』