我と汝 (I and Thou)

nakano
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我と汝(I and Thou)

概要

『我と汝』は、ユダヤ系の宗教哲学者マルティン・ブーバーが1923年に刊行した著作です。ブーバーは、人が世界へ向かう二つの根本語として、我―汝我―それを示しました。

これは善人と悪人の分類ではありません。相手とどう関わるかによって、語っている「我」のあり方も変わるという思想です。

詳細解説

1. 我―それも必要である

我―それでは、人や物を経験し、比較し、利用できる対象として捉えます。診断、計画、分業、科学には、この関係が必要です。

問題は我―それそのものではなく、その見方が人間関係の全体を覆うことです。相手を職種、成績、病名、利用価値だけで捉えると、その人は説明の中へ固定されます。

2. 我―汝は関係の出来事である

我―汝では、相手を一つの対象へ縮めず、呼びかけと応答の中で向き合います。完成した二人が情報を交換するのではなく、二者の「あいだ」に生まれる関係によって「我」も変わります。

我―汝を永続する高揚状態として保つことはできません。関係は再び我―それへ移ります。この往復があるからこそ、対象化した相手を何度も受け取り直す必要があります。

3. レヴィナスとの違い

ブーバーが相互性と「あいだ」を重視するのに対し、レヴィナスは、相手から返事がある前から始まる非対称な責任を強調します。両者を一つの段階論へまとめると、この違いが失われます。

全一性と比較する場合も、我―汝を全一性へ至る手段と決めつけず、統一の中で他者を対象化しないための緊張として扱う必要があります。

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  • マルティン・ブーバー『我と汝』