無底 (Ungrund)

nakano
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無底(Ungrund)

概要

無底(Ungrund、ウングルント)は、ドイツの神秘思想家ヤーコプ・ベーメの語です。ロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエフは、この語を根源的自由の問題へ結びつけました。

無底を、神が生まれる前の時間に存在した物体として捉えると誤解が生じます。ベルジャーエフが問うのは、善い行為まで原因から完全に計算できるなら、自由な応答はどこにあるのかという難題です。

詳細解説

1. 根拠から演繹できない自由

ベルジャーエフは、自由を自然法則や社会的条件の結果へ還元しません。非被造的自由という強い表現によって、人格の応答が既存の原因から一方向に決まらないことを示そうとします。

これは、条件や身体を無視できるという意味ではありません。人は制約の中で生きながら、その人の応答を条件の総和だけでは説明しきれないという主張です。

2. 自由と悪の可能性

自由が本物であるなら、善だけを自動的に選ぶとは限りません。ベルジャーエフは、創造の可能性と悪の可能性を同じ自由の問題として考えます。この危うさを消してしまうと、自由は正しい答えを出す仕組みに変わります。

孤独は、この自由を証明する徴候ではありません。孤独には社会的、心理的、身体的な複数の原因があり、苦しみを形而上学だけで説明すると現実の支援を遠ざけるおそれがあります。

3. 客体化と創造

ベルジャーエフは、人を役割、属性、制度の部品として固定する働きを客体化として批判します。創造は、既存の分類を繰り返すだけでなく、人格が新しい応答を関係へ持ち込むことです。

この創造を全一性への自動的な帰還とするより、人格が固定された役割を越えて他者へ応答する働きとして読むほうが、概念の緊張を保てます。

この概念が登場するブログ記事

さらに深く知るためのガイド

  • ニコライ・ベルジャーエフ『創造の意味』
  • ニコライ・ベルジャーエフ『奴隷と自由』