ウブントゥ(Ubuntu)

nakano
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概要

ウブントゥ(Ubuntu)は、南部アフリカの複数のバントゥー諸語で、人間性、人としてのよさ、思いやりなどを表してきた言葉です。20世紀後半には、人は他者との関係を通じて人となるという哲学や倫理を示す語として、公共の議論でも広く用いられるようになりました。

しばしば結びつけられるumuntu ngumuntu ngabantuという表現は、人間性が孤立した個人の内部だけで完成するのではなく、他者との関係の中で育つことを示します。ただし、この一句だけで地域ごとの実践や歴史をすべて説明することはできません。

詳細解説

文献史を調べたクリスチャン・ゲードによれば、ubuntuは少なくとも1846年から文章に現れます。1950年以前は主に人の資質を指し、後にヒューマニズム、哲学、倫理、世界観などへ意味が広がりました。現在よく知られる格言がウブントゥの説明に結びつく文献は1993年から1995年ごろに現れるため、太古から変わらない唯一の定義としてではなく、近現代の思想史を含む言葉として読む必要があります。

哲学者モゴベ・ラモセは、存在と人間性を関係の中で捉えます。タデウス・メッツは、他者と同一性を分かち合い、善意を示す関係を倫理理論として整理しました。両者の説明は重なりますが、同じ定義ではありません。

ウブントゥは共同体への服従を無条件に求める言葉でもありません。関係が人を育てる一方、共同体の圧力が少数者を沈黙させることもあります。そのため現代では、連帯と個人の権利をどう両立させるかが重要な論点になります。

この概念が登場するブログ記事

さらに深く知るためのガイド

  • Christian B. N. Gade, “The Historical Development of the Written Discourses on Ubuntu,” South African Journal of Philosophy, 30(3), 2011, pp. 303–329.
  • Mogobe B. Ramose, African Philosophy through Ubuntu, 1999.
  • Thaddeus Metz, “Toward an African Moral Theory,” The Journal of Political Philosophy, 15(3), 2007, pp. 321–341.